肌を洗う成分

ラウリン酸

主たる原料:ヤシ油、パーム油などヤシ・パーム

特徴:洗顔石鹸ではよく見かける洗浄成分です。
母乳にも含まれるラウリン酸は、洗顔効果以外にも、免疫力の強化や抗菌作用、炎症を抑える作用があります。毒性が弱く、肌を優しく洗浄できますが、粘膜部に対しては、わずかながら刺激性があります(洗顔石鹸に含まれる程度の量では、刺激性はほとんどありません)。

ミリスチン酸

主たる原料:パーム油やモクロウ(木蝋)ヤシ・パーム

特徴:わずかに刺激臭がある成分です。
皮膚への刺激性が弱いうえ、ほど良い洗浄力を持つため、洗顔石鹸の洗浄剤としてよく使われています。ほとんどの場合、水に溶けやすくするなど化学変化させて配合されています(ミリスチン酸グリセリルなど)。

パルミチン酸

主たる原料:ヤシ油やパーム核油パーム・モクロウ(木蝋)

特徴:魚などによく含まれる不飽和脂肪酸(DHA:ドコサヘキサエン酸など)の一種で、少し独特の臭いがします。
水に溶けにくいため、溶けやすくしたものが洗顔石鹸の成分として使われています(パルミチン酸ナトリウムなど)。また、ほかの洗浄成分と一緒に使われることが多い材料です。

ステアリン酸

主たる原料:牛脂や大豆油牛脂・大豆

特徴:泡立ちは少し悪いものの、脂質(油分)に馴染みやすく、皮脂だけを集中して洗い落とすことができる成分です。
また、皮膚への刺激性が低く保湿性もあります。

オレイン酸

主たる原料:オリーブオイル・ツバキ油・牛脂など牛脂・大豆

特徴:泡立ちが良く、肌の水分とも馴染みやすい点が特徴です。
また、刺激性が低いため、敏感肌向けの洗顔料によく使われています。
昔は変色・腐敗臭が出やすく、洗顔料には使いにくい材料でしたが、技術の進歩とともに最も普及している材料となりました。

ココイルグルタミン酸

主たる原料:ヤシ油・グルタミン酸ヤシ油・グルタミン酸

特徴:アミノ酸系の界面活性剤(洗浄成分)。
水に溶かすと肌と同じ弱酸性になるため、肌との相性がとても良いです。
肌に優しく泡立ちも良いので、敏感肌向けの石鹸によく使われています。
また、なめらかな使用感があることから、石鹸以外にもシャンプーやクリームなど多くの化粧品に配合されます。

アルキル硫酸Na

主たる原料:合成界面活性剤

特徴:皮脂や汚れを落とす力が非常に高く、抗菌作用も持つ洗浄成分です。
その強力な洗浄効果から皮膚への刺激も強くなってしまうため、洗顔石鹸にはとても低い濃度で配合されています。
皮脂の気になる方、脂性肌用の洗顔石鹸に向いている成分です。

TEA(トリエタノールアミン)

主たる原料:アンモニア水と酸化エチレンから合成トリエアノールアミン

特徴:水に良く溶け、エモリエント効果があることから、洗浄目的だけでなく保湿剤としても用いられることがあります。
皮膚への刺激が弱く、安全性は比較的高い成分です。
なお、酸や熱・光に敏感で紫外線にあたると変色する場合があります。

アセチルモノエタノールアミド

主たる原料:化学合成品

特徴:水と馴染みやすく泡立ちも良いため、洗顔石鹸やシャンプーによく用いられます。
保湿剤やコーティング剤として使われることもあります。
また、医薬部外品の材料として認定されているため、薬用石鹸などに配合されている場合もあります。見た目は淡黄色の液体で、臭いもほとんどありません。